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忍野「阿良々木くん……君、ロリコンに憑かれてるよ」 の続き4

771 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/18(金) 03:42:00.33 ID:a7tfD+1Y0
「はなっ! してっ! 下さいこのロリコン!!」
「うははっ! 褒め言葉だぜ! 噛んでも無駄だっ! 僕の半不死のこの体、
今日この時の為に……ぐぅ!?」

股間の鈍痛に僕はうめく。
僕のおまたに刺さっている長い足。
なんと千石の物だった。

「うむ、ばっちりだ! 阿良々木先輩の玉を潰す事にかけてはもう免許皆伝だなっ」

おのれ神原。

「あ、あのっ、こよみお兄ちゃん……私、ちゃんと出来たかな。気持ちよかった?」
「………っ!」
「天まで昇りそうな性感で声が出ないらしい」

あまりの激痛に悶絶してるんだよ。
神原は八九寺に向き直り、

「君もどうだ。この蹴りは、阿良々木先輩をもてなす以外にも、護身用として使えるからな。
阿良々木先輩みたいに、児童公園で声かけてくる真性のロリコンを撃退するのにも有効だ」
「…………何で、知ってるんですか」
八九寺が問う。
「ん?」
「私が……阿良々木さんとはじめて会った時の、場所を、何で」


「何でって、それは」
「私は、誰にも見えなかったのに……どこにもいなかったのにっ」

あの事件に関わった物にしか知り得ない情報だ。
部外者の神原がどうして自分を知っていたのか、八九寺には判らないのだろう。
誰の前にも存在しなかった自分を、なぜ知っているのか。
そんなの、簡単な話だ。
八九寺、僕が言うのも何だけど、お前は本当に、割と可愛いんだぞ。
変態扱いされようとも、知り合いに教えたくなるくらいにな。

「阿良々木先輩から、凄く可愛い子が町をフラフラしてるって聞いていたからな。

そういうおいしい情報は共有しようと、根掘り葉掘り聞いたさ」

八九寺は、信じられないといった顔で、神原の言葉に聞き入る。

「八九寺真宵。本当は今日会う前から、ずっと名前は知っていた」
「……っ」

名前を知っていた。
それだけの言葉に、八九寺の小さな胸が波打つ。
そう、知っていたのは僕だけじゃない。
姿も見えない八九寺の姿を、神原も知っていた。

「こんな可愛い名前なんだから、きっと本当に可愛い子何だろうと想像していたが、
予想以上だ」

誰の中にも、自分はいないだなんて、お前の思い違いだ八九寺。
例え姿が見えなくても、神原の中に、お前はちゃんといたんだ。
神原に真っ正面から見据えられ、八九寺は視線を逸らす。
他人と目が合うことがあまりに久しぶりだから、慣れていないのだろうか。
その理由は、すぐにわかった。
八九寺の僕を掴む手が、わずかに震えていたから。

「私も、知ってたよ…っ」

千石が八九寺の顔を覗き込む。
そのせいで、半べその顔を千石にばっちり見られてしまったようだ。

「こよみお兄ちゃんから、八九寺真宵ちゃんって子と、もし町で会ったら、
友達になってやってくれって。でっかいリュック背負ってるからすぐ判るって聞いてたけど、
今まで全然見つからなかった」

千石はおずおずと手をさしのべる。
千石だって、あまり交友関係が広いわけではない。
自分から積極的に声をかけるのは苦手なのだろう。
でも、今日まで、いつか出会うだろう八九寺を探し続けてくれた。
千石の中にも、八九寺はいた。

「友達に、なろ?」
「………………っ、ぅ」

限界だった。
八九寺の顔がみるみる歪んでいく。
瞳からは、ぽろぽろと大粒の涙を流す、子供の泣き方だった。

「ぅぁ……っ、うああああぁぁぁぁっ」

ひとりぼっちで泣くと、よけい寂しくなるから、泣けない。
我慢していた分、ずっと貯めていたであろう涙を、八九寺はためらいなく流す。
今の八九寺は、もうどこでだって泣いていいのだ。
側で慰めてくれる奴が、僕以外にもいた事を知れたんだから。

「所で阿良々木くん? ……あなたいつまで、その幼女の乳を揉んでいるつもり?」
「え、あ、いやこれは…落ちてる八九寺を元気づけようっていうか、その」
「あなたが乱暴に揉みしだくから、号泣してるじゃない。可愛そうに」
「いやあんた話聞いて無かったのかよ!? 感動のストーリー、いまここでやってたじゃん!」

確かに、役得だけどさ。
小学生の乳なんて、そう簡単に揉める代物じゃない。
この禁忌なる感触を手の平にしみこませようと、時間かせぎしたいのは山々だが、

僕だってまだ警察の世話には……。

「…………あれ、取れないんですけど」
「…は?」
「いやだから、何か八九寺の胸に、僕の手がひっついちゃってるっていうか…」

時間稼ぎでも何でもなく。本当に。
まるで八九寺の胸と僕の手が、ボンドか何かでくっつけられたみたいに。
……ボンド?
あーそういえば、僕さっき、木工用ボンドとか叫びながら八九寺の胸に触れたんだっけ。

「これが……怪異ロリコン様の能力なのかっ!?」

何という合法ロリ……じゃなくて、ふざけた能力なんだろうか。
っていうかこれ、どうやって剥がすんだ?

「……そう。じゃあ切断しないとね。鉈で、手首ごと」
「おま――っ、何て物騒なもんをっ! 事件になったら雛見沢の流貴士さんに迷惑かかるだろ!」
「切ったらまたつけてあげる。それで問題無いでしょう?」
「大ありだ! 大体、僕だって好きこのんで幼女の胸なんかっ」
「嘘だっ!!!」

惨劇。

それから僕は戦場ヶ原と別れ、八九寺と付き合うようになった。
別れた、というよりは、一方的に愛想つかれたというほうが正しいけど。
ロリコンの怪異は結局祓う事が出来ず、僕は今でも少女が大好きなままだ。
だから、幽霊で一生少女のままである八九寺は、まさに理想だったのだ。
僕はもう、怪異に憑かれたままでもいいと思う。
もっと大切な人を、手に入れたのだから。

「……という夢を見たんだが」
「おまわりさあぁぁ~~ん!」

叫びながら逃げだそうとする八九寺を、僕は全力で引き留める。

「頼む、助けてくれ八九寺! 祓い方がわからないのは、本当なんだ!」
「ぎゃあ~~!? 引き留めるフリしてスカート引っ張らないで下さいっ!」
「今こうしている瞬間も、お前の事がどんどん好きになっていくんだっ」
「大嫌いですっ! 絶交します!!」
「止められない、止まらないっ! 止まりたくないっ!!」
「嫌ああああああぁぁ」

実を言うと。
本当はもう、怪異の祓い方は忍野から教わっているのだ。
忍野は最初、まずは様子見でいいと言ったけれど。
実際、それが唯一の解決策だった。

ロリコンの怪異が僕に及ぼした影響は、小児性愛だけではなかった。
存在しないものを、具現化させてしまう能力を、知らないままに
僕は獲得してしまっていたらしい。

その怪異が憑く人間は、大抵が子を亡くした親など。
子供の死を認められない親が、怪異から得た能力を無意識に使用し、
存在しないはずの子供の霊を具現化していた例がいくつかあると聞いた。
つまり、僕にしか見えなかった八九寺が皆に視認されるようになったのも、
全部僕の仕業だったってわけだ。

じゃあ、何で僕に限ってロリコンの属性が付加されたのかだが。
怪異の力を借りてまで、無を有にするなんて考える奴は、相当な子煩悩だったりしたらしい。
つまり、偏執的に子供を愛する気持ちが、怪異を呼び寄せ、思いを成就させた。
キーワードは、愛。

ここからは忍野の予想だけど、僕のロリコン化は、
不足していた愛を補うための代償行為である可能性が高い。
僕が八九寺を『何とかしてやりたい』と思っていたのは確かだが、
無を有にする力を得るには足りなかった。
だから忍野いわく、人一倍お人好しな僕は糞真面目にも『ロリコンになりきる』事で、
不足分を補おうと考えた。
まあ、つじつまは合うけどさ。
我ながら……何て無茶するんだよ。

「わはははっ! はちくじつ~かまえた!」

暴れる八九寺を羽交い締めにし、キスの嵐を降らせる。

「ううぅ……毎日毎日、体中を撫で回されたあげく、初キッスまで奪われて……
私八九寺真宵は、もうお嫁にいけません」
「いや、お前はどのみち一生無理だろ。幽霊的に」
「う、うぅぅ……ふええぇぇ~~んっ」

ウエディングドレスを着る夢が潰え、八九寺はさめざめと涙を流す。

「泣くなよ、僕が貰ってあげるからさ」
「慰めるフリして変態的な事言わないでくださいっ!」
「じゃあ八九寺が僕を貰ってくれよ」
「立場逆転っ!? ドレス着た阿良々木さんは最早公害ですっ」

しばらくすると八九寺も大人しくなり、黙って僕に抱かれていた。
八九寺の体からは、相変わらず子供の良い匂い。
僕はその芳香を、忘れないよう脳に刻みつける。
そう、決して忘れてはいけないのだ。
忘れてしまえば、全部無かった事になってしまうから。

「…阿良々木さんは、いつまでこんな事するつもりですか」
「いつまでも」
「無理してるの、わかります」

八九寺にはもうバレていたらしい。
僕がなかば義務的に少女愛を求めていたことを。
無理矢理にでも、こうして八九寺が大好きな気持ちを維持しないと、
怪異と共にそれが薄れていってしまうのがわかる。
忍野が、何もしない事が解決策だと言った意味は、実に的を射ていた。

八九寺にわずかながらの友達が出来て、満足してしまった僕は、
無意識に怪異をつなぎ止める事がもう出来ない。
八九寺がやっと得られた物も、僕が八九寺に望んだ物も、陽炎のように頼りない。
その終わりが来るまで、僕は。

「ちょっといいかな」

聞き覚えのない大人の声。
振り返ると、そこにはポリスメン。

職務質問をするときのフランクさは既になく、犯罪者を派出所で
問い詰めてる時のような顔で僕を見る。

「何ですか、兄妹同士みずいらずで遊んでいた所を」

さりげなく八九寺が妹という偽情報を混ぜてみる。

「妹? 本当に? さっき凄い暴れてなかった?」

雲行きが怪しい。
あれを見られたのは不味い。
警官じゃなくたって、高校生が嫌がる小学生を押さえ込みキスしていたら
誰だって通報するだろう。

「抱きしめられると暴れちゃう程、兄が大好きなんですよ」

苦しすぎる言い訳だった。
苦し紛れに、八九寺に『な?』と調子を合わせるが、

「知りませんこんな人」
「裏切りやがったこいつっ!?」
「私の未発達な胸を揉んだり、無理矢理ちゅーしてきたり、いっぱい汚されましたっ」

警官が僕の腕を掴んでくる。
あ、もう連行する気満々だ。

「…それは本当か君?」
「そりゃ……全部事実ですけど」

正直に言った。
なぜなら、僕にとって八九寺へのセクハラは悪戯目的じゃなく…愛があったと断言出来るから。

「八九寺ぃ~~~! 愛してるぞおぉぉ~~~!!!」

警官に引きずられながら、愛を叫ぶ。

「阿良々木さんは、少し頭を冷やしてくるといいです。今のままじゃ、
私だって迷惑ですから」

迷惑という割りには、その表情に拒絶の色は無く。
しかたない兄をバカにする妹のようだった。
八九寺は誰に聞かせる訳でもなく、ひとりつぶやくように語る。

「町で声かけてくれるのは、嬉しかったです。それが目当てで
一日中歩き回っちゃうくらいに。毎日阿良々木さんの事考えながら、会えたらいいな、
なんて考えちゃうのは、私にとって自然な事でしたから。
友達が出来るようになったのも、阿良々木さんのおかげだって知った時は、
なんだか胸の所がぽかぽかしてきて……ずっとこんな毎日が続けばいいなって……」

八九寺が笑う。
嬉しさ100%だけの笑顔じゃない。
嬉しさと悲しさの入り交じった、苦笑い。
女の子にそんな笑顔をさせるようじゃ、僕はまだまだ甘かったのだ。

「でも、阿良々木さん自身が困るような事まで、願ったり出来るわけないじゃないですか。
私だって、私だって、こんなだけど……阿良々木さんのこと、割と………

……す、気に入ってるんですからっ」

八九寺は顔を上げて、今度は周りに聞こえるくらいデカい声で叫ぶ。

「出所したらっ、彼女と仲直りしてくださいっ! ちっちゃい子を追っかけ回すのはやめて、
真人間に戻って下さいっ! その後、たまたま町で会ったら…」

八九寺が指を唇に当てて、ウインク。
あのませガキ。ちょっとドキっとしちゃったじゃないか、この野郎。

「デートくらいなら、付き合ってあげますっ」

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902 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/18(金) 18:56:00.25 ID:a7tfD+1Y0
真宵END
ってことで。
幕引き
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